typographie

家にあった中古のCDやDVDや本をリサイクルショップへ持って行く。チューリッヒには幾つかリサイクルショップがあって、不要品を無料で引き取ってもらえる。荷物を引き取ってもらった後、お店の中を覗いたら「活字セット」を発見。鉛の活字が引き出しに入ったまま売られている。

以前から、この「活字セット」をのみの市で探していたので、即買いする。引き出し2枚分。不用品をお店に引き取ってもらい身軽になったと思ったら、前よりも重い荷物を運ぶことになってしまった。お店の荷車を借りて、ガラガラ転がしながら、そのまま事務所へ。

実はJJは、音楽をやる前に「Typograph」(活版印刷職人)として、ジュネーブ新聞の印刷会社で働いていたことがある。今は、コンピューターに代わり、この職業自体、ほぼ無くなっている。職人になる為には、4年間の修行と試験があったそう。JJが書く文字が読みやすいのは、この仕事のおかげだと思う。

JJは、私の買い物を見て驚いていたが、昔の仕事道具を目の前にして、やり方を教えてくれた。鉛中毒を防ぐには、牛乳を飲むのがいいそうだ。このセットはドイツ語バージョン。ちゃんと印刷するには、道具も足りないのだけども、ロゴや名前はできそう。何を刷ろうか、考えるだけでも楽しい。

 

polvoron

原鳥事務所に寄ったら、スペイン人のメルセからお土産を貰う。
懐かしの「ポルボロ」。何故懐かしいかというと、家の近所のお菓子屋「成城アルプス」に売られており、祖母や母がよく買っていた。アーモンドの粉菓子で、口の中に入れたとたん、その名の通り、ボロボロ溢れ、水分が欲しくなる。たった1つのお菓子が昔を思い出させてくれる。「成城アルプス」も、すごい名前のお菓子屋さんだけど、今も「ポルボロ」置いているのかなあ?

basel

バーゼルで行われているシャガールの展覧会をスーさんと一緒に見に行く。新しい美術館は、バーゼルのChrist&Gantenbeinが改築。個人的には、古い美術館の方が落ち着けた。シャガールの絵も、初めて見るものばかり。ロシアの寒さを感じさせない、明るい色を沢山使ってました。バーゼルも快晴だけど、寒い。

Waltz for Debbie

Mathonの夕焼け。
去年からずっと、Bill Evansを聞いている。私が生まれる前に作られた音楽だけども、全く古さを感じさせない。山で大音量で聞くと、JJの歌が途中から加わったり、新しい音楽になる。JJはテレビシリーズ「ソプラノ」を見続けている。その合間に煖炉の火をチェックしたり、大忙し。

Bonne année!

明けましておめでとうございます。 今年も宜しくお願いします。
私たちはチューリッヒで年を迎え、お正月も、のんびり過ごしました。2日から、イタリア語圏のGandriaへ。オフシーズンなので、ホテルは私たちだけ。天気も良く、早速、JJと「オリーブの道」を散歩。

JJも「音道レコード」というレーベルを作りました。
www.otomichi-records.ch
今年、博史さんとのデュオ「neko」でCDを発売する予定。

2018年も、みんなが笑顔で仲良く過ごせますように!

brooks

テッシン州の山小屋で年を越すと話していた友だち、ブルックスがなぜか、早めに切り上げてジュネーブへの帰る前に、我が家に立ち寄り、フォンデュを一緒に楽しんだ。

ブルックスも音楽家(コントラバス)で、JJと一緒に「kumo」というプロジェクトをやっている。先日、録音した音楽を聴きながら、あーでもない、こーでもないと話しながら、大量のチーズをワインと共に食す。結局家に泊まって、翌日ジュネーブへ発ちました。来年、「kumo」を聞けるのを楽しみにしてます。

Joyeux Noël!

24日は、毎年、友人宅で「ゲームとパン」の日に呼ばれている。毎年ここでしか会わない人たちと、ただ純粋にゲームをする。ゲームと言っても、カードやボードゲーム。その間に食べたり、飲んだり。気づいたら1時を過ぎていて、歩いて家まで帰りました。

25日は、JJの従兄弟の家に呼ばれて、ジュネーブまで行く。JJの両親は2人とも亡くなっていないので、妹家族と従兄弟、大叔母さんのジョー(84歳!)も来て、とても楽しい会だった。妹さんの旦那さんの前の奥さんの子供たちや、従兄弟の兄弟も色んな人が一緒にお昼ご飯を食べ、賑やかな暖かい時間を過ごせました。プレゼントは要らないと言っていたが、やはり最後はみんなプレゼント交換会。私たちもチューリッヒへ持ち帰られないくらいのチョコやケーキを沢山貰いました。

私とJJはクリスマスは別に家に飾りもないし、プレゼント交換もしないし、普段と変わらない生活。JJが「電動髭剃り」が欲しいと言っていたので、今度見てみよう。メリークリスマス!!

fin d’année

JJが3日間、レコーディングでいないので、1人で山へ。昨日はいい天気だった。町中はクリスマスで賑わっているけども、ここは静か。

家の中では、テキストを書いてる。コンペに応募するための書類制作と牛小屋について建築学生からの質問への返答。フランス語と英語。久しぶりに書くと、言葉が出てこなくて驚く。牛小屋の仕事では全部ドイツ語だったから、その硬いドイツ語を今度はフランス語にして、質問は英語で答える。頭の中でも色々な言葉が交差する。言葉も使わないとどんどん忘れてしまうので、本も読み続けていかないと。

今読んでいる本「Kaputt」は、イタリア人(Malaparteマラパルテ)の作家が書いた、第二次世界大戦のヨーロッパ各地の前線の記録。70年前に書かれていることが、今まさにヨーロッパで起きていること(移民やファシズム)と変わらない。彼が描いている時代は、インターネットも携帯電話も無い時代。そのせいか、細かいディテールが事細かに描写されている。「Kaputt」は、ドイツ語で「壊れた」とか「機能しない」の意味。何が壊れているのか、読みながら色々考えさせられる。マラパルテのカプリ島の断崖に建つ家は、建築的にも有名。いつか見に行きたい。

山小屋で煖炉の火をつけながら、テキストを書いたり本を読んで過ごす年の暮れ。至福の時間。明日、チューリッヒへ戻ります。

güetzli

年末恒例のクリスマスのクッキーを焼く。カレー用に買ったココナッツが沢山残っていたので、ココナッツクッキーを作る。甘さも控えめで、JJがもう半分以上食べてしまった。とても簡単だったので、また作るとしよう。

St. Nikolaus

夕方、事務所の中庭から子供達の声が聞こえてきた。何だと思ったら、聖ニコラウスが来て、この近所の子供達にプレゼントをあげている。そういえば、12月6日は、聖ニコラウスの日。サンタの格好したニコラウスが事前に両親から、今年の子供の様子を、聞き込みして、大きなノートを開いて、その子供のいいところ、悪いところをみんなの前で発表する。悪い子にはそれをお仕置きする、シュムッツリという悪魔みたいなおばけが来て森へ連れ去ってしまう。今は、もちろんそんなことはないのと、怖すぎるというので、甘くなっているみたい。いい子ならプレゼントが貰えて、悪い子は森に捨てられるって、極端だなあ。

cheminée

1週間近く、山で過ごしている。雪も降って、とても静か。JJは煖炉から離れず、火を絶やさないようにしている。煖炉番長。だから、部屋中暖かい。番長曰く、燃え上がる「絨毯」の上に、1本ずつ、木を乗せていく。それをずっと繰り返す。朝、起きて、煖炉を覗くと、昨夜の残り木は、ほんの少しだけしか残っていない。さすが、番長!

これから掃除して、チューリッヒへ帰ります。ネコも遊びに来たし、一緒に散歩もしたし、本も沢山読んで、たっぷり寝て、お風呂も入って、充電完了。これで年末の慌ただしい季節も、難なく迎えられることでしょう。

neko

山の散歩から帰ってきたら、家の前の石の上で日向ぼっこしていたネコ。私が横に座った途端、膝の上に乗っかってきた。全く物怖じしない。しばらく一緒に遊んでいたら、思い出したように、泉の水を飲んで、どこかに行ってしまった。また、遊びにきてね!

Curcuma

JJの友人ハミッド(モロッコ人)と20年ぶりのセッションに付いて行った。彼が住んでいるBielまで電車に乗ること1時間半。自宅の屋根裏がスタジオで、世界中のパーカッションが所狭しと置いてある。彼の前の彼女が、たまたまバーゼルの展覧会で演奏しているJJを聞いた故、ハミッドから連絡があったという、不思議な縁。

甘いミントティーとケーキをご馳走になってから、2人はセッション開始。ハミッドが弾く、アフリカのGuembri (バス)、インドのTablasが、JJの法螺貝やトロンボーンとおしゃべりしている。私は部屋の片隅で2人の心地よい音楽を聴きながら、異国を旅行しているような夢心地になって、何度かウトウトしてしまう。

長い間一緒に演奏していないというのが嘘のような、息のあった音楽でした。来月は早速、ベルンでコンサートがある。デュオの名前は「ククマ(フランス語で”ターメリック”)」と決まった。2人の音楽がスパイシーで、体に良いからね。