JJが3日間、レコーディングでいないので、1人で山へ。昨日はいい天気だった。町中はクリスマスで賑わっているけども、ここは静か。
家の中では、テキストを書いてる。コンペに応募するための書類制作と牛小屋について建築学生からの質問への返答。フランス語と英語。久しぶりに書くと、言葉が出てこなくて驚く。牛小屋の仕事では全部ドイツ語だったから、その硬いドイツ語を今度はフランス語にして、質問は英語で答える。頭の中でも色々な言葉が交差する。言葉も使わないとどんどん忘れてしまうので、本も読み続けていかないと。
今読んでいる本「Kaputt」は、イタリア人(Malaparteマラパルテ)の作家が書いた、第二次世界大戦のヨーロッパ各地の前線の記録。70年前に書かれていることが、今まさにヨーロッパで起きていること(移民やファシズム)と変わらない。彼が描いている時代は、インターネットも携帯電話も無い時代。そのせいか、細かいディテールが事細かに描写されている。「Kaputt」は、ドイツ語で「壊れた」とか「機能しない」の意味。何が壊れているのか、読みながら色々考えさせられる。マラパルテのカプリ島の断崖に建つ家は、建築的にも有名。いつか見に行きたい。
山小屋で煖炉の火をつけながら、テキストを書いたり本を読んで過ごす年の暮れ。至福の時間。明日、チューリッヒへ戻ります。